2017年4月26日水曜日

2017年雨中の旅!防水透湿ウェア(レインウェア)を選ぶ際に必ず知っておきたいこと

以前、「耐水性が重要!雨中での釣りにお勧めなタックルバッグ6選」でも書かせていただいた通り、ワタクシ悪天候下、特に雨中での釣りが大好きです。


という訳で、今回は悪天候下での魚釣りに使う「防水透湿ウェア」についてのお話を書いてみたいと思います。


いきなりですが、雨中での魚釣りに最適なウェアとは?


結論を先に書いてしまうと、雨の中でも快適に釣りができるウェアはやはりゴアテックス製。特に「GORE-TEX PRO」プロダクトが最も適しているといえます。


理由は簡単。やはりなんといっても「防水透湿性能」が抜きんでて優れているからです。


なぜ、どのように優れているのでしょうか、それは以下で述べたいと思います。

普段の釣りで通年よく着用するのはGORE-TEX PROファブリックのMarmot SpeedLight Jacket。
登山用のハードシェルです。透湿性が高く快適なため、雨が降ってなくてもコレをアウターにしています。




防水透湿素材は実は2種類?


釣りをされる皆さんの多くは、「防水透湿」機能を持ったウェアをお持ちかと思いますが、実はこの防水透湿機能、大別すると2種類に分けられることをご存知でしょうか。


1つはフッ素樹脂(PTFE)の透湿膜を用いた「GORE-TEX」や「eVent」といった防水透湿素材。

もう一つは「エントラント」や「ブリザテック」といったポリウレタン系防水透湿素材です。


アウトドアメーカーやフィッシングメーカー各社が、独自のネーミングで出している防水透湿素材のほとんどは、後者のポリウレタン系に該当します。


例えば、ノースフェイスの「ハイベント」、パタゴニアの「H2NO」、ダイワの「レインマックス」、シマノの「ドライシールド」なども、このポリウレタン系に属します。


そういえば近年、ユニクロが出していた防水透湿ウェアも、このポリウレタンコーディングを施したものでしたね。


フッ素樹脂系とポリウレタン系の大きな違いは、フッ素系樹脂の防水透湿素材が、水分子より大きな孔があいた多孔質の透湿膜を利用して直接水蒸気を放出する仕組みであるのに対して、ポリウレタン系の防水透湿塗材は、水分を一旦素材が吸収してから蒸発させる仕組みであることです。



なぜGORE-TEXが優れているのか


釣りなどの活動をしている場合、スポーツやクライミングほどでないにせよ、外気に比べて衣服内の湿度(温度も)は当然高くなると思います。


その時、上述のとおり、フッ素系樹脂系素材の方は、高まった衣服内の湿気(蒸気)を、「孔」を通じて外部に直接に排出します。


一方、ポリウレタン系素材では、衣類内側の素材がその湿気を吸収して、外気に触れる面から蒸発させます。


この時、衣服の外側、つまり外気が多湿な状態であれば、どうなるでしょうか?


ご想像通り、素材が吸収した湿気の蒸発はゆるやかなものになります。


このため、日本の夏場のように高温多湿な状態で、かつ雨が降っているような状態では、ポリウレタン系素材は積極的に外部に水蒸気を発散させることができず、充分に性能を発揮できないことになります。


近年はポリウレタン系防水透湿素材の性能向上も著しく、数値上のスペックでは防水性・透湿性ともGORE-TEXに迫る勢いがありますが、やはりこの本質的な透湿の仕組みの違いから、日本のような気候環境ではGORE-TEXが有利になるといえます。



GORE® C-ニット™バッカーテクノロジーを採用し、しなやかな着心地と高い収納性を持つストームクルーザージャケットは釣り用レインウェアとしても手ごろな価格が魅力


防水透湿アウターやレインウェアを収納するにはSEA TO SUMMITのスタッフサック(2.5L)がジャストサイズ。僅か11gという軽量素材で、ライフジャケット背面にウェアを収納する際に最適です。




ポリウレタン系防水透湿素材の弱点


また、ポリウレタン系にはもう一つ、性能面でGORE-TEXに敵わない点があります。


それは、加水分解する素材であるため、長年の使用によって、経年劣化が生じやすいこと。


皆さんも、長年履いていたスポーツシューズの底が剥がれたり、合皮素材の表面がひび割れたり、粘り気が出たりするのをご覧になったことが無いでしょうか?


それらと同じ仕組みです。


個人的な見解ですが、ポリウレタン系の素材はおよそ4-5年位が製品寿命かなと感じています。


一方、GORE-TEXの方はどうかというと、私自身の経験では、15年ほど前に購入したジャケットでも、いまだ現役でローテーションの一部を担えています。


GORE-TEXファブリクスは、長年にわたり使用していても、ポリウレタン系のような素材そのものの劣化は無いため、定期的なメンテナンスを行っていれば、防水透湿性能は何ら劣化することなく使えるのです。

(もちろん、汚れや摩耗による生地の痛みに伴って性能劣化することはあります。)



この性能の持続性はGORE-TEX素材の魅力であり、値段が張る分、長年の着用に耐えてくれるため、結局トータルでのコストパフォーマンスは高く、選ぶ理由の一つになると考えています。


実際に使い比べてみてどうなのか


私はこれまで15年近くにわたって、GORE-TEXは5着、ポリウレタン系は2着のウェアを試してきました。

同一メーカー、同じカッティングで異素材(GORE-TEX PROとポリウレタン系メンブレン)のウェアを買って比べたこともあるので、以下に使用感の違いを書きたいと思います。


長時間雨ざらしになる状態で釣りをすると、GORE-TEXウェアに比べて、ポリウレタンメンブレン系のウェアは明らかに内側が湿った状態で、重たくなります。


コレが防水性能の低さによるもの(雨水が染みている)なのか、それとも内側の湿気を素材が吸収したためなのかは断定はできませんが、当該ウェアが新品の頃から同様の使用感だったので、おそらく後者で、ポリウレタン系素材の特徴的な現象だと思います。


上述の通り、日本のようなもともと多湿な環境で、さらに雨が降った状態では、ポリウレタン系素材の吸水-蒸発のサイクルでは、どうしても「蒸発」の部分に限界が生じるのでしょう。


また、雨具としては「耐水圧」の差によっても、使用感に差が出てくるように感じます。

一般的に、ポリウレタン系の素材に比べ、GORE-TEXの耐水圧45,000mmは高い値です。

雨中で快適に行動するのに必要な耐水圧は20,000mm程度といわれているため、GORE-TEXはオーバースペックかとも思えますが、実際のところそうでもありません。

なぜかというと、釣りなどでの実際のアクティビティでは、ウェアの一部分に圧力がかかる場合が多く、その部分から浸水することが多いからです。

具体的には、雨具の上からライフジャケットなどの装備を付けている場合など、その装備品が当たる部分、例えばショルダーベルトで圧迫されている肩部分などから浸水してくる(水がじんわり染みてくる)ことが多いです。

防水透湿ウェーダーを履いていて、濡れた地面に長い時間座った時に、じんわりお尻のあたりに水が染みてくる、あの現象と同じですね。

やはり、ポリウレタン系に比べてGORE-TEXの方は、耐水圧に余裕があるため、この押さえつけられる部分からの浸水が明らかに少ないです。


これらの経験から結局のところ、トータルで肌面をドライに保ってくれる能力にはGORE-TEXの方が上で、魚釣り用ウェアとしてはGORE-TEXの方が優れていると感じています。



釣りではGORE-TEX素材のハットも便利。暴風雨ではやはりフードが必須ですが、多少の雨ならこちらの方が締め付け感なく快適な釣りができるため、私も愛用しています。



なお、GORE-TEXでも、薄手レイヤー構造で収納性を高めた「パックライト」、運動を前提に透湿性を追求した「アクティブ」、他に防風性に特化した「ウインドストッパー」など、いろいろ種類がありますが、ハードな気候環境、特に風雨に耐える耐水性と、野外活動において必須の耐久性(生地の頑丈さ)を考えれば、やはりそれらの性能に特化した「GORE-TEX PRO」が魚釣りウェアに最善だと思います。



多少お値段は高めですが、最高峰のGORE-TEX PRO3レイヤーシェルを採用したXEFOのACT-JKT。クロロプレンカフスなど釣り人のためを考えたディティールが、悪天候下での本気の釣りをサポートしてくれます。




防水透湿素材共通の弱点


ちなみに、GORE-TEXであれポリウレタン系素材であれ、共通の弱点があります。


その一つは、表面が完全にぬれた状態では透湿できないということ。


表面が完全にぬれていると、水の膜により水蒸気の放出/発散ができなくなるためです。


元々防水透湿ウェアは必ず表面に撥水加工がしてありますが、使用に伴いウェア表面の撥水力が弱まってきたら、上記の通り透湿性が失われます。


そのため、ウェア表面の撥水性を保っておくよう、ニクワックスなどを使って撥水性を適宜復活させてあげる必要があります。



フッ素樹脂系もポリウレタン系も、透湿性能維持のためには必需品の撥水剤は信頼のニクワックスがお勧め。

気軽に使えるスプレータイプもお勧め。



もう一つの弱点は、素材というより作りの問題ですが、袖口からの水の侵入。


雨中で釣りをしたことがある方なら、経験がおありかと思います。


特にキャストやリトリーブなどを繰り返すルアーフィッシングでは、袖口が意外と上を向くタイミングが多く、手首を伝って雨水が侵入することが多いです。


ウェアの一部では(前出のXEFO ACT JKのように)、袖口をダブルカフスにするなどの対応が施されている商品もありますが、それほど一般的ではありません。


そんなときに便利なのが、クロロプレン製のレインカフス。


これを着けることで、袖口からの水の侵入をシャットアウトできます。



私が長年愛用しているのはリトルプレゼンツ製のレインカフス。先端をダブルに折り返し可能な仕様です。


実売1000円程度と、非常にコストパフォーマンスに優れたモンベル製のレインカフス。


GORE-TEXを着るなら、忘れてはいけないのがインナー選びです。

GORE-TEXウェアの透湿の仕組みは上述の通り、「水蒸気」を微細な孔から外部に放出するというものですが、素肌や綿素材のインナーの上から着ていては、その透湿性能を存分に発揮することはできません。

体から生じた汗を吸い取って拡散し、ウエア表面に「水蒸気」として放出する機能を持ったインナーを着ることで、最高のパフォーマンスを発揮します。


吸湿速乾性を持ったインナーでコストパフォーマンスが高いのはモンベルのジオラインシリーズ。安定供給されている定番品故の安心感もありますね。





ちょっと余談、eVentへの期待


魚釣りやアウトドアウェアではありませんが、eVent素材のテーラードジャケットを1着持っています。


このeVent素材、数値だけで比較すると、透湿性に関してはGORE-TEXの1.5~2倍あるといわれています。


実際に来てみたら、その数値は大げさではなく、体感できるレベルだと思います。
(アウトドア系のブログでは、ウェアから立ち上る湯気が見えるとインプレを書いている人も居るくらい。)


着用感もゴワゴワが少なくしなやかで、初期性能が持続するGORE-TEX同様のフッ素樹脂系のメンブレンです。


個人的にはかなり優秀な素材、もしかしたらGORE-TEXを超えてるかもと思う大注目の素材なのですが、なぜか日本の釣具メーカーで、eVentを採用したウェアを見たことがありません(アウトドアメーカーでも意外と少ないですが)。


どこかのメーカーさんが採用してくれないかな・・・



期待の素材、2.5層のDRY.Qエリート(eVent)素材を採用したマウンテンハードウェアのハードシェル。
GORE-TEX PROに比べ価格もお手ごろ。


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