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ロッドについて ヤマガブランクス バリスティック92ML TZ/NANO の実釣インプレ

2019年8月15日木曜日

インプレ タックル バリスティック ヤマガブランクス レビュー ロッド

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年初から立て続けにシマノボーダレスショートスペック260M-TソアレエクスチューンS706UL-T、ヤマガブランクス ブルーカレント83/TZ NANO Flex、同93/TZ NANO All-Rangeと4本もロッドを購入してしまい、もう当分の間ロッドを買うことはないだろうと思っていましたが、またまたNewロッドを購入してしまいました。


今回購入したのはヤマガブランクスのシーバスロッド、バリスティック92ML TZ/NANOです。


今回はこのロッドの実釣インプレを書きたいと思います。


バリスティック92ML TZ/NANO、すでに40〜70cm台まで何匹か釣りましたが、実にイイ曲がりです!


購入の経緯



これまでシーバス用にメインで使用してきたのは、シマノのエクスセンスインフィニティ96ML/RF96M/RF


インフィニティはさすがにシマノのフラッグシップだけあって、感度、軽量さ、操作性、強さなど、あらゆる面で優れたロッドで、MLとMの2本があれば一年を通じて関西圏オープンエリアのシーバス釣りはほぼカバーすることができるため、もう新たにロッドを買う必要はないと感じていたのですが、しばらく使用しているうちに、一点だけ不満に感じる点が出てきました。

秋シーズンの体力ある70upクラスを相手にする時は、インフィニティの強さが武器になるのですが・・・



それは長時間の釣りにおける疲労感。


インフニティは中弾性素材であるトレカT1100Gを採用しており、粘りと強さは抜群なのですが、全体的な指向性としてはどちらかというと感度に振ったロッドのようで、水中からのインフォメーションを仔細に捉えるため、全体的にシャキッとかなりハリ感を感じさせる仕上げ。


このハリ感とRF(レギュラーファースト)のアクション故に、半日程度のキャストなら問題ないのですが、ワタクシのように長い時には10時間くらい投げ続けるような場合、どうしても腕や肩に負担を感じてしまうのです。

完璧に思えるインフィニティにも思わぬ弱点が。


そこで、長時間キャストに向いたもう少ししなやかな調子で、よく曲がるタイプのロッドを探していました。


ほんとうは長年愛用していたエクスセンスのFlexPerformanceのようなロッドが理想的なのですが、残念ながらこの機種は後継機がありません。


近いコンセプトのロッドといえば、エクスセンスジェノスのS810ML/Rが挙げられますが、若干インフィニティとキャラが被るし、買い足すにはちょっとなぁ〜。


というわけで、長年愛用してきたシマノ以外のメーカーも含めて、軽量でしなやかなロッドを探していたのですが、そこで白羽の矢が立ったのが、ヤマガブランクスのシーバスロッド、バリスティックシリーズ


今年に入って、ライトゲーム用のブルーカレントシリーズを2本買いましたが、この2本が実に良く曲がり、しなやかなタイプのロッドが好きなワタクシの好みにピッタリだったため、このメーカーのロッドなら自分好みのテイストでは?と、現行モデルで最もライトな92MLの購入を決意した次第です。



どんなロッド?



バリスティック TZ/NANOシリーズは、ヤマガブランクスのシーバスロッドのフラグシップモデルです。


その中でも92ML TZ NANOは現行モデル中最もライトで、軽量なタイプ。
(Lモデルもあったのですが、2019年に廃盤になったので、現行モデルではコレが一番ライトですね。)


全長2790mm、仕舞寸法1425mm、適合ルアーウェイトは5〜24gで、適合ラインはPE0.6〜1.2号、ガイドはチタンフレームトルザイトKガイドで、リールシートはアップロックタイプのVSS16、先径1.5mm、元径11.0mmで、カーボン含有率は99.8%、適合リール目安はダイワ2500-3000番、シマノC3000ー4000番です。


どんなロッドなのか、メーカーHPより説明文を引用してみましょう。


繊細なティップが特徴的なミディアムライトクラスのロッドで、ミノーのトゥイッチングやジャークなどプラグに細かなアクションを入れるゲームに最適なモデル。バランスを徹底的に練りこみ、アクション入力時のレスポンスと感度にこだわった設計です。橋脚がらみの明暗撃ちなどスタンダードなシーバスゲームだけでなく、デイゲームにおけるルアーアクションを重視した誘いの展開にもオススメです。

ヤマガブランクスHPより引用)




手にした印象



手にとってみると、11.0mmの元系と太すぎないセパレートタイプのグリップのせいか、カタログ写真などでみるよりもずっとコンパクトなロッドという印象を受けます。


同じMLクラスのインフィニティ96から持ち替えてみると、ワンランクライトなロッドを持ったかのような印象を受けますね。


近年シーバスロッドもショートグリップが流行りですが、エンドグリップは若干短めながら必要にして十分な長さがあり、身長172cmのワタクシが普通にリールを持った時に、肘下からエンドグリップが3cm程度はみ出るくらい。


リトリーブ時には脇下にも挟める絶妙なこの長さ、ドンズバで好みです。


リールを装着した時のバランスも良く、エクスセンスLB(225g)を装着した状態では、フォアグリップ先端から約2cm上が重心位置になります。

見た目もそうですが使用感はなかなかにシャープ。





使用されているパーツの質感はそれなりに高いですが、相変わらず全体のデザイン面は飾り気が無くシンプルでそっけない感じすね。


まあ、それが良かったりするのですが。


ブルーカレントシリーズがゴールドのロゴ、加飾だったため、全体的に茶色っぽい印象でしたが、このバリスティックシリーズはロゴや加飾はホワイト、シルバー、チタニウムグレーとモノトーンであるため、非常にスッキリした外観だと思います。


なお、MLクラスのエクスセンスシリーズと比べてもガイド径はそこそこ小さめのコンパクトなもので、トップガイドはフランジ型のものが装着されています。


このあたりも含めて、多少繊細さを感じさせるロッドですね。



キャストフィール



以前インプレを書いたブルーカレントシリーズと同様、カタログスペック上の上限から下限のウエイトまで、しっかりとブランクスを曲げ込むことで生じる反発力を活かして、気持ちよくキャストできるロッドです。


ウエイト上限は24gとされていますが、実際のところ28gのバーストアッパーなんかもフルキャストできているので、上はもっと重めを投げても全然大丈夫じゃないでしょうか。


下限の方はアピアのハイドロアッパー55やザブラクロストリガー、ジグヘッドリグなどをストレスなく投げることができているので、感覚的にも5g程度から気持ちよくロッドをしならせてキャストできると思います


ただ、ブルーカレントTZ NANOシリーズよりさらにしなやかさ(柔らかさではありません)を感じさせるブランクスのため、重めのルアーや空気抵抗の大きいルアーを投げた時にはブランクスの入り込みが思ったよりも深く、イメージするよりワンテンポ遅れてルアーが射出されるような印象です。


とはいっても、例えるならターボエンジン車のアクセルレスポンスがN/Aに比べてコンマ数ミリ秒遅れて感じられるのと同じように、意識しなければ気にならないレベルですが。


 ワタクシは長年レギュラースローアクションのロッドを使っていたので、このキャストフィールは全然アリなのですが、シャープにビシッと投げたい人にとっては若干違和感を感じるかもしれませんね。



しかしこの曲がりこみのおかげで、ウェーディングでの回遊待ちのような、長時間キャストはいたって快適。


軽い力で振るだけでも、曲がりにより生じる反発力を利用して、思った以上の飛距離を叩き出すことが可能ですし、連投による腕肩への負担はハリのあるタイプのロッドに比べて圧倒的に小さいです。


しなやかさと曲がりばかりに目がいってしまいますが、その特性と相反するかのように、キャスト時のブレは非常に少なく、ルアーを射出した後ティップのブレは見事に一発で収束してくれるところも素晴らしいと思います。


総じて、キャストフィールは非常によく、長時間安心して連投できるロッドだといえるでしょう。



操作性



9.2ftというレングスは、遠投を必要とするオープンエリアの釣りでも過不足なく使え、かつ小型ルアーの操作性を失わないギリギリ最長のレングスですが、このバリスティック92ML TZ/NANOはMLのパワーランク、このレングスでありながら、122gと非常に軽量。


この軽さに加えて、キャスト時にタメをつけやすく、ファイト時にも力がこめ安いベストな長さのエンドグリップと、コンパクトなグリップ周りの作りも相まって、取り回し、操作性は抜群に良いと思います。


実際に複数のミノー、トップウォーター、バイブレーションなどを使って、ジャーク、トゥイッチ、シェイキングなどいろいろとロッドアクションを試してみましたが、それらの操作性は十分満足できるもの。


しなやかに曲がるタイプのロッドゆえに、ロッドアクションの際の手応えはどこか角の取れた感じになるので、あまりシャープでクイックなアクションには向いていなさそうですが、それでもこのフィーリングに慣れてしまえば、まるで腕の延長線上と言えるくらい、思いのままにロッド操作できるようになります。


全体的にみると、カタログスペックの数値上は大きな違いはないにもかかわらず、先代までのエクスセンスシリーズやインフィニティに比べると、かなり小回りが効く操作性の高いロッドのように感じます。



感度


このバリスティック92ML TZ/NANO、なんども言いますが全体的にしなやかな調子のロッド。


一般的に柔らかくしなやかなロッドは、硬くハリのあるロッド比べて感度面では劣るのが通例ですが、バリスティックは感度面では今ひとつかというと、全くそんなことはありません。


もちろん、ハリのあるタイプのロッドに比べれば幾分か感度は落ちていそうですが、しなやかながらも適度にハリ感を感じさせる躾なので、リトリーブ時におけるミノーやバイブレーションの水中での挙動変化は手に取るようにわかりますし、シンキングペンシルのスラロームも竿先で感じ取ることができるほどです。


極端にリトリーブ抵抗が重いルアーを使うと、ティップはそこそこ入り込み感度面で不利になると思いますので、実釣で向いているのは一般的な12、3cmクラスまでのミノーやシンペン、70mm程度までのABSバイブレーション、18g程度までの鉄板あたりだと思います。


購入したのが初夏だったので、今のところバイブレーションの釣りがメインになっていますが、特にベイトが小さい時期に多用するシマノのサルベージ、サルベージソリッドの60サイズや、コアマンのIP13、アイマのシュナイダー55、ダイワのミニエント57Sのような50-60mmクラスの小型ABSバイブレーションや鉄板バイブレーションとのマッチングは最高ですね。


軽量ルアーの使用感も非常によく、各種バチ抜け向けのシンペンやコアマンのRJ-7のようなジグヘッドワーム系にもマッチすると思います。


また、ロンジンのフランキー90やアイマのコスケ85Fなど、流速感度に優れるミノーを使えば、流れの変化を的確に捉えることも可能です。


実際に小型バイブレーションを使った釣りで何度か魚をかけましたが、かなり遠投した先での小さめのアタリもしっかり捉えることができており、感度面でも全般的に満足しています。



曲がりとパワー



500mlペットボトルをリフトした様子。ベントカーブは非常にスムースです。

いつものように500mlペットボトルのリフトもしてみました。


さすがにブルーカレントシリーズに比べるとより大きなパワーを感じますが、MLクラスのシーバスロッドにしてはやはりよく曲がる方ではないかと思います。


このロッド、高級ロッドに多用される印籠継を用いているのですが、継ぎ目の存在を感じさせないスムースなカーブを描き、しっかりと胴まで入り込みます。


先ほどよりも角度をつけてリフトした様子。手元からみるとものすごく曲がっているように見えるのですが、このように横から撮影してみると意外とバットパワーを感じさせる曲がりですね。


実際に使っていると胴までかなり大きく曲がりこむスロー寄りのアクションかのように感じるのですが、こうやって写真で見てみると、500g程度の負荷ではレギュラーアクションの曲がりといったところでしょうか。


さらに負荷を掛けていくことで、より胴まで入る曲がりを見せてくれます。


実釣では40cm台、60cm台、70cmのシーバスと30cm〜40cm台のマチヌ、キビレなどを釣りましたが、さすがに「曲げて獲る」を標榜するヤマガロッドだけあって、ロッドは魚のサイズに関係なく極上の曲がりを見せてくれます。


40cmクラスの魚相手でもしっかりと曲がりこみ、魚の動きにしなやかに追従してくれるため、エラ洗いをされてもバレにくく、やりとりしていて安心感があります。


この追従性はかなりのもので、ファイト中の魚のうごきによる荷重変化に際しても、グリップをもつ手に感じる負荷感の変動は少なく、魚に対して急激なテンション変化を感じさせない、つまり必要以上に魚を暴れさせないロッドだと思います。


曲げ込めば曲げ込むほどリフティングパワーを発揮しますが、その曲がりの質はかなり懐が深く、たとえ大物の引きでもロッドがのされるようなこともなさそう。


まあ、このあたりはいつものアカエイ、ナルトビエイ、巨大ボラスレでさんざん試しましたので、間違いありません(笑)


あと、曲がりとパワーに関する特徴としては、不思議なことに魚を掛けたあとは自分でも驚くくらい落ち着いてファイトすることができること、また、それに相反するかのように、魚の浮きは非常に早いということが、このロッドでのファイト時に感じた大きな特徴です。


冒頭の写真の魚は、ワタクシがヒットさせ、ファーストランを止めてこちらに頭を向かせた後、息子にロッドを渡して釣り上げたものですが、かなり遠距離で掛けたにもかかわらず、小学生の息子でも難なくランディングに持ち込めていました。


しなやかな調子による追従性の高さと、曲がりから生じるリフティングパワー、そして何より曲がりからくるファイト時の安心感の高さから、初心者にとっても扱いやすいロッドであることは間違いありませんね。



総評



バリスティック92ML TZ/NANO、さすが「曲げて獲る」を売り文句とするヤマガブランクスのロッドらしく、極上の曲がりと抜群の操作性を持つロッドで、この手のタイプに興味がある方には間違いなくオススメなロッドだと言えます。


その性格上、パワー重視のゴリ巻きファイトをするヘビーカバーの釣りや、激流河川の釣り、ピンポイントシュートを多用する小場所の釣りなんかには向いていないと思いますが、春夏シーズンまでの15g以下の軽量ルアーを中心としたライト目な釣りやオープンエリアでの釣り、特に干潟ウェーディングのような釣りにはまさしく非の打ち所のない最高のロッドと言えるのではないでしょうか。


しかし、一点だけこのロッドにも重大な欠点があります。


それは、リアグリップに施された加飾リング。

リアグリップの金属製加飾リングが手に当たって痛いのが唯一の欠点。


このリング、デザイン面ではなかなか良いのですが、ロッドに採用されているEVA素材が比較的柔らかいため、キャスト時やファイト時などにエンドグリップを強く握った際、どうしても指が当たってしまいます。


特に長時間キャストを続けた場合など、右投げ派のワタクシは左手薬指、小指あたりがこのリングに擦れてイタイ。


コレは、質実剛健、デザインやお飾りよりも中身で勝負するロッドメーカーのはずのヤマガブランクスにあるまじき大失態、次期モデルでは是非とも見直して欲しいと思います。


とまあ、わずかな不満点もありますが、バリスティック92ML TZ/NANOは、フィールドやシーバスとの対話を重んじ、釣果より釣趣、結果よりプロセスを愉しむアングラーにこそ是非使ってもらいたい極上のロッド。


店頭でも通販でもほとんど値引きはされないお品ですが、手に入れる価値はあると思います。


興味ある方は是非手にとってみてください。



素晴らしいロッドだと思いマス。

次はコレも買ってみようかなと思ってマス。


なお、2022年以降の釣行記は別サイト「スモールフィッシング」に、タックルやルアーなどのインプレ・レビュー記事は「続・スモールフィッシング」にお引越ししています。

よろしければこれらのサイトもご覧になってみてください。

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