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ロッドについて ヤマガブランクス ブルーカレント 83/TZ NANO Flex の実釣インプレ

2019年4月18日木曜日

インプレ タックル ブルーカレント ヤマガブランクス レビュー ロッド 評価

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先日、「ロッドについて 2019年新作、ブルーカレント83TZ NANO Flexも買ってミマシタ!(ファーストインプレッション)」で書いた通り、ヤマガブランクスの2019年2月の新作ロッド、ブルーカレント83/TZ NANO Flexを購入しました。


ブルーカレント 83/TZ NANO Flex にBB-X RinkaiSP1700DXGを装着したところ。
個人的にゴールドカラーの加飾は好みではないのですが、控えめに入ったゴールドが仏壇(笑)をイメージさせるカラーリングで、ロッドとリールのデザインがマッチしているような気がします。


シーバスロッド、ライトゲームロッド、モバイルロッドの各カテゴリー毎に、必要だと思っていたロッドはコレを最後に全て揃ったように思いますので、まだ4月ですが、新しい釣りでも始めない限り、恐らく今年最後の釣竿購入となると思いマス。


93/TZ NANOがライトゲームロッドと言いつつ、太さもパワー感も比較的シーバスロッド寄りだったのに対して、83/TZ NANOは細身軽量、明らかにライトゲーム色が強いロッドです。


このブルーカレント83/TZ NANO、適合PEラインは0.2〜0.6号、適合ルアーウエイトはプラグで1.5~8gと、若干パワーがあるライトゲームロッドと言った感じのスペックなのですが、ワタクシは厳寒期に極小ルアーで狙うシーバス釣り用のつもりで購入しました。





しかし先日、Youtubeで以下の動画を見て、どうしても実釣で使いたくてたまらなくなってしまい、ちょっとスペック的にライトすぎるかなぁと思いつつも、バチ・マイクロベイトパターンの釣りに初デビューさせてみました。





その時の釣りの様子は、「最高の入魂式!ブルーカレント 83TZ NANOを持ってシーバス釣りに行ってキマシタ!」という記事に詳しく書いてありますが、シンペン中心ながら様々なウエイトのルアーを投げて、セイゴ・フッコ・スズキと各サイズのシーバスを釣ることができ、じっくり使用感を試すことができたので、今回はこのロッドの実釣インプレを書いてみたいと思います。





どんなロッド?


メーカーHPによると、全長が2520mm、自重73g、適合PEラインは0.2〜0.6号、適合ルアーウエイトはジグヘッドが0.8~5g / 各種リグが1.8~10.5g / プラグが1.5~8gとされています。

オレンジのベンドカーブを見ての通り、オーソドックスなアジング、メバリングロッドである61/TZ NANOや71/TZ NANOに比べるとパワーがあることが見て取れますね。

また、ターゲットは「アジ・メバル・他なんでも」、ルアーは「ジグヘッド・各種リグ・小型プラグ」、フィールドは「港湾・磯・河口」とされています。


同製品の解説文を引用すると、次の通りです。

ジグヘッド単体の遠投をコンセプトとしつつ、軽量ジグヘッドの扱いやすさと感度を融合させたロングレングスモデルです。繊細な使用感は小型軽量プラグの細やかな操作を可能にし、多彩なルアーで遠距離を繊細に攻略するシーンで活躍します。また良型特有の足元での急な突っ込みにもロッド全体でスムーズかつフレキシブルに追従し、ターゲットの走りをいなしながらブランクの復元力で浮かすことが可能です。この曲げ込んで浮かす・止める性能により、テトラ帯などファイトが厳しいフィールドでもアングラー側に大きなアドバンテージを与えてくれるでしょう。

(ヤマガブランクスHPより引用)


個人的には、「アジング、メバリングロッド以上シーバスロッド以下」のライトゲームロッドのポジションを、メバリングロッド寄りがこの83/TZ NANO 、シーバスロッド寄りが93/TZ NANOと言った感じででうまく二等分してカバーしてくれているような感覚で、83/TZ NANOは「あくまでライトゲームロッドなんだけど不意の大物にも太刀打ちできる」そんなイメージのロッドです。


ちなみに、このロッドを買うときに競合候補として最後まで競り合ったのがシマノのソアレ エクスチューンS803L-T 。


コチラは尺メバル狙いのロッドですが、スペック面では見事に被ってると思います。



キャストフィール


キャスト時のしなりは93/TZ NANOよりもさらにしなやかな印象で、まるで鞭のよう。


以前書いた93/TZ NANOのインプレでも似たようなことを書きましたが、キャスト時にはしなやかにブランクスがしなってルアーの荷重を胴にしっかりのせ、反発力を最大限生かしたキャストが可能です。


まだアンダー3gのプラグやジグヘッドなどは試していませんが、ごく軽いルアーでも、スイングするだけで大きなしなりを生み出せるので、その反発力でキャストすることが可能なようです。


軽い方では4.8gから、重い方では適合ルアーウェイトの倍程度ある16gまで、いろいろなルアーを投げてみましたが、特に4.8gの海爆リップレス50ではPE0.4号との組み合わせでは驚くほどの飛距離を出してくれました。


ルアーのフォルムなどにもよるかもしれませんが、実釣で空気抵抗の少ないシンペンメインで使ってみた感覚では、最もロッドに合っていそうなのは4〜8g程度、そして12g程度までなら全く遠慮することなく振り切れそうです。


 軽めから重めまで、振り切った後のブランクスの収束は速く、ブレは1〜1.5往復で収束する感じ。


93/TZ NANOよりは僅かに戻りが遅い感覚ですが、これだけライトでしなやかなロッドでありながら、この収まり具合は非常に秀逸だと思います。


ハリを感じさせつつも柔軟性に富みしなやかなブランクスをしっかり曲げてキャストすることができ、リリースポイントもかなり広いこともあって、長時間投げ続ける釣りでも疲労感少なく、集中力を維持してキャストし続けられるロッドだと思います。


総じて、キャストフィールは抜群に良いと感じました。



操作性



8.3フィートのレングスでありながら自重は73gと超軽量。


シマノC2000番サイズのリールとのマッチングも良く、リール装着時のウェイトバランスも良いため、もちろん先重り感などありません。


よく聞くフレーズですが、まさにレングスを感じさせない操作性で、シンプルながら小柄でフィット感の良いグリップ周りと相まって、小型ルアーに対する細かなシェイキングなどのアクション付けもお手の物といった感じ。


ライトゲームロッドとしては長めのレングスですが、操作性は十分高いと言えますね。


もう一つ操作性の面で特筆すべきは絶妙なエンドグリップの長さ。


この83TZ/NANOも、93/TZ NANO同様、グリップエンドからリールシート中央までが300mmを超える比較的長めのグリップ設定ですが、個人的にダブルハンドキャストが多いため、このレングスは非常にありがたい長さだと思います。


このグリップ長は魚とのファイト時にも有効で、大きめのシーバスとのファイトにおいても、肘裏を支えにしてしっかりとロッドでタメを作ることができ、終始優位に立ってやりとりすることができました。


シングルハンドキャストメインの方からするとちょっと長めで軽快感に劣るよう感じるかもしれませんが、8.3フィートでスロー寄りのレギュラーアクション、さらに曲げ込んでパワーを発揮するというこのロッドのキャラクターにはちょうどいいグリップ長ではないかと思っています。



感度


しなやかな特性でよく曲がるロッドですが、このTZ NANOシリーズは柔らかいながらもシャキッとしたハリ感も持ち合わせており、使用感はシャープで感度も高いと思います。


負荷に対してリニアに曲がっていくレギュラーアクションのロッドであるため、小さなルアーをリトリーブするときに掛かる小さな負荷でも、ティップ部分が必要以上に入り込むことはなく、ルアーの動きや流れの変化を手に取るように感じることができます。


シーバスで言えば春先のこの時期特有の啄ばむような小さなアタリももちろん確実に捉えることができますし、小型シンペンのリトリーブ時にはその微細なアクションを手元に感じ取れるくらい。


まだメバルプラッギングで使ったことはないですが、おそらくメバル用の小型プラグでもこの特性は同様でしょう。


しなやかさ・柔軟さとハリ・感度という二律背反の要素を絶妙なところでバランスさせていると思います。



曲がりとパワー


先に書いた通り、ブルーカレント83/TZ NANOの曲がりはややスロー寄りのレギュラーアクション。


負荷によって大きく曲がりの頂点が変わることはなく、低負荷から高負荷までベンドカーブはリニアに変化します。


500g負荷でこの曲がり。
かなりしなやかなロッドですが、曲がりによって生み出されるパワーはかなりのもののようです。


このリニアな曲がりの特性は当然、ファイト時の魚に対するプレッシャー(テンション)のかかり方に直結しているのでしょう。


普段エラ洗いを多発させるセイゴ、フッコサイズ でも、ファイト中のエラ洗いが極端に少なかったですので、曲がりによる追従性が高いことはいうまでもありませんが、さらにテンションの急激な変動が少ないという特性を持っていると言えそうです。


500mlペットボトルのリフトではティップが大きく入り込み、ロッド全体がぐにゃりと曲がったため、大型シーバスではちょっと厳しめかなと思っていましたが、50cm台はもちろん、70cmオーバーのシーバスでも全く問題なくやりとりすることができましたし、ファイト中の魚のコントロールにおいても、全く不安感を感じることはありませんでした。


かつて10年近く前にも、早春の時期のシーバス狙いにメバリングロッドを使って挑んだことがありましたが、当時は60アップのサイズが掛かるとその走りを止めることができず非常に長時間のファイトを余儀なくされ、最後はロッドをのされておそらくフック穴が広がったせいでしょう、すっぽ抜けでバラしてしまうということが何度もありました。


しかしこのブルーカレント 83/TZ NANOは当時のロッドとは違い、同じように大きく曲がり込んでも、その曲がりによってじわじわと沸きあがるようなリフティングパワーを発揮してくれます。

驚くことにPE0.4号でもこのサイズが余裕を持って上げられます。
ロッドがしっかり曲がってくれるため、細糸でも臆することなくリールを巻いて、魚を寄せて来られますね。


またその曲がりはどこまでも深く入り込みタメが効くものなので、ロッドを支える腕への負担は思ったよりもかなり小さく感じられ、強い引きにもロッドがのされる心配はありません


まさに「曲げて獲る」を地でいくロッドですね。



ちなみに実釣ではPEライン0.4号、0.6号を使いましたが、おそらく0.4号あたりがこのロッドのパワー感にはベストマッチだと感じました。


もちろん、しなやかによく曲がってくれるため、0.3号以下の細糸でも安心して使うことができそうです。


インプレまとめ



上記の通り、ブルーカレント 83/TZ NANO Flexは、非常に柔軟性のあるしなやかなロッドでありながら、投げる、掛ける、獲る全ての動作において全く不満を感じさせない素晴らしい完成度のロッドだと思いました。


特に印象に残ったのは、柔軟なロッドにありがちなダルさを全く感じさせず、シャープな使用感をもたらせてくれる絶妙なハリ感。


この辺りのバランスのさせ方は、さすがヤマガのフラッグシップモデルだと唸らせられる出来だと思います。
 

また、実釣でこのロッドを使ってみて強く感じたのは、シーバスフィッシングにおける小型ルアーの可能性について。


例を挙げるとシンペンではマニック75やコルセア65、ワンダー60やフィール75、バイブレーションではローリングベイト55や53サイズ以下のシリテンバイブ、ミノーではコモモSF-95SlimやサスケSF-75など、よく釣れることは分かっていても、小型軽量ゆえに従来のシーバスロッドでは扱いづらく、ついつい投げる頻度が少なくなってしまっているシーバスルアーって結構あると思います。


ここ10年ほどでシーバス関連のタックルは爆発的に増えましたが、個人的にまだまだ手薄な領域だと感じているのが、上記のようなルアーを扱えるUL(ウルトラライト)〜L(ライト)クラスのシーバスロッド。


各社ともMLやMのロッドは多数の選択肢があるのに、特にフラッグシップモデルではライト以下のクラスの商品は数えるほどしかありません。


しかし、このブルーカレント 83/TZ NANOなら、これらの小型軽量ルアーにもベストマッチ。


細糸との組み合わせで、軽量ルアーでも驚くほど遠方に届けることができますし、タックルバランス的にも、それらのルアーに装着されている繊細なフックとの相性も良さそうですしね。


このロッドの本来のコンセプトは、メバルやアジなどライトゲームにおける「ジグヘッド単体の遠投」ですが、おそらく各種リグ、プラッギングなど、どのような使い方をしても、不満を感じることはまずないと思います。


しかし、個人的には上述の通り、「フィネスに使えるウルトラライトクラスのシーバスロッド」としての使い方に、バッチリハマるのではないでしょうか。


アンダーパワーのライトなタックルで1匹との極上のやり取りを楽しみたい方にこそ、ぜひとも使って欲しい。


ブルーカレント 83/TZ NANO Flexは、そんなロッドだと思います。




※ブルーカレント 93/TZ NANO All-Rangeの記事はコチラ


※ブルーカレント 83/TZ NANO Flexの記事はコチラ


※ブルーカレント 85/TZ NANO All-Rangeの記事はコチラ



なお、2022年以降の釣行記は別サイト「スモールフィッシング」に、タックルやルアーなどのインプレ・レビュー記事は「続・スモールフィッシング」にお引越ししています。

よろしければこれらのサイトもご覧になってみてください。

スモールフィッシングの最新記事はコチラ! 続・スモールフィッシングの最新記事はコチラ!

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