Amazonで実売1000円以下と安かったのが購入の理由です。
実はこのアーマードシリーズのライン、かなり昔にシーバス用にArmoredF+、ArmoredF+Proの0.6号、0.8号、1.0号も買って使っていましたが、一度もインプレを書いたことがなかったので、まとめてインプレを書いてみようと思います。
買ってたのはもう5年くらい前ですかね〜。 |
どんなライン?
Armoredシリーズは、DUELからリリースされているコーティング系のPEラインです。
市販されているPEラインのほとんどはコーティングされたラインですが、このラインが特徴的なのはそのコーティング手法。
一般的な編み糸ではなく、PE原糸を束にした上に、フロロ粒子とシリコンでコーティングを施したようなラインです。
「Armored」の名を冠する銘柄だけで、F+Pro、F+、Fと3種類のラインナップが存在し、それぞれエキスパート用、スタンダード、ビギナー用と位置付けられているようです。
(もちろん、この順番に値段も安くなります。)
さらに、「ArmoredS」という製品もありますが、こちらはシリコンコーティングのみの製品で、Fと同じくビギナー向けと位置付けられているようですね。
ArmoredF+Pro、F+、Fそれぞれの違い
同じコーティング手法なのに、なぜF+Pro、F+、Fとランク分けされているのでしょうか。
FとF+では、スーパーPEと呼ばれる通常のPEが使用されている(F)か、ウルトラPEというより高強度のPEが使われている(F+)かという違いがあります。
このため、FとF+では、例えば同じ0.8号ならFが6.1kg、F+が7.6kgと、15%程度、引っ張り強度に差が出るようですね。
もう一つ、FとF+の違いは耐摩耗性。
DUELの耐摩耗性試験の情報では、Fは一般のPEに対して25%程度耐摩耗性がアップしているとされていますが、これをさらに25%アップさせたのがF+です。
さらに上位のF+Proは、F+よりもさらに25%耐摩耗性がアップしています。
DUEL HPより引用 |
F+とF+Proの違いは、この耐摩耗性だけのようですね。
価格と性能のバランスで言ったらF+が買いか?
実釣インプレ
このラインを購入してスプールから出してみると、まず初めに感じるのがハリ・コシの強さ。
世間の大抵のPEラインも、購入直後はハリやコシがあって、数回釣行後にはふにゃふにゃになってしまうものが多いですが、それに比べてこのArmoredFはかなり長期間に亘ってこのハリ、コシを維持してくれます。
コレは素直にいいと思います。このラインの大きな長所ですね。
実際にスプールに巻いてみると、このハリとコシ故に、多少他のPEラインに比べて巻きグセがつきやすいですが、コレはハリコシの維持とトレードオフの関係だと思いますので、さほどデメリットには感じません。
キャストしてみると驚かされるのが飛距離の向上と糸ふけの少なさ。
DUELによると、飛距離の向上は+10%だそうですが、このラインの比重は1.0強ということらしいので、おそらくその恩恵なのでしょう。
風が吹いている状況でも風に煽られることが少なく、糸ふけが出にくいため、このこと自体も飛距離の向上に寄与してくれそうです。
またもう一つ釣りをしていて感じたのは、アタリがガツンとダイレクトに感じられること。
コレまたDUELによると、従来のPEラインに比べて半分以下の伸びなので、感度が2倍らしいです。
2倍かどうかはわかりませんが、このラインにフロロリーダーの組み合わせだと、確かに遠距離でのアタリでもかなりビビットに感じられるような気がします。
ちなみに、年末年始にかけて最近ArmoredFアジ・メバルの0.4号で、60cmオーバーを含むシーバスを5本以上以上獲りましたが、一度も先端カットもノット結び変えもせずに問題なく上げることができているので、実釣での強度面も全く問題なさそうですね。
欠点はないのか?
比較的長い期間このラインを使いましたが、上記の通り実釣インプレでは「ハリ・コシがある」「飛距離が伸びる」「糸ふけが出にくい」「感度がいい」と、ルアーフィッシングするにおいてはいいことずくめ。
それではこのArmoredシリーズに欠点はないのかというと、そういう訳でもありません。
ワタクシが長い間使用して特に感じたのは、FGノットなど摩擦系ノットの組みにくさ。
結びにくいというわけではないのですが、フィニッシュのハーフヒッチなどで、かなりの確率でコーティング剥がれによりササクレを起こしてしまうのです。
使っていて強度的に特段悪くなっているような印象はありませんでしたが、ノットがボロボロなのはいかにもここから切れそうで、精神衛生上良くない。
耐摩耗性は強いはずのラインですが、おそらくノット作成時の締め込みのような、ピンポイントで負荷がかかる摩擦にはそうでもないみたいですね。
コレは、擦り付けるような結び方はせずじわっと締め込む、しっかりラインを水で濡らして締め込むなど、注意深く丁寧にノットを組むことで回避できますが、ワタクシはこのササクレが不安なため、シーバス釣りで使う太めのライン(0.6〜1.2号)ではこの銘柄の使用はやめてしまいました。(ノットを丁寧に作る人なら全く問題ないと思いますが。)
ライトゲームで使うような細名柄(〜0.4号)などでは、3.5ノットなど摩擦系以外のノットを使うシーンが多いでしょうから、気にならないと思います。
もう一つこのラインの欠点として思い浮かぶのが「キンク」が発生しやすいということ。
スピニングリールは構造上どうしても糸よれを発生させてしまいますが、この糸よれが一定以上になると、ライン上の一点で折れ曲がり、捻れによる潰れが生じてしまいます。
通常のしなやかなPEラインだと、一点で折れ曲がるようなことは少なく、エアノットが生じる方が多いですかね。
ArmoredFシリーズに特徴的なこのキンク症状、糸ふけがある状態でしか発生しないのですが、やはり一点で断面が潰れたラインはトラブル時にそこがウイークポイントになるかもしれませんので、注意が必要ですね。
このキンクが頻発するようなら、ラインにヨレが溜まってきている証拠なので、ヨレ解消アイテムを使用したり、先端のある程度の長さをカットするなどの対策をとれば良いでしょう。
インプレまとめ
総合的に見て、実釣で有利となる特性をいくつも備えた、間違いなく良いラインで、ビギナー向けとされるFでも十分「買い」だと思います。
ただ、もちろん無敵のPEラインというわけではなく、一般的なPEラインと同様に、やはり長期使用に伴って摩耗頻度の高い先端部分から徐々に手触りがぶよぶよした感じになってきて、キャストフィールの悪化や飛距離の低下など、使用感は確実に悪化していきます。
そのような使用感の悪化が比較的緩やかで、高い初期性能を維持する時間が長いのがF+Proということなのでしょう。
ただ、F、F+、F+Proはそれぞれ25%ずつ耐久性がアップするだけなので、言い換えるとFが4回釣行で使用感が悪化するところ、F+なら5回、F+Proなら6回まで持つといった感じでしょうか。
F+ProとFの価格差はおよそ2倍以上あるため、個人的にはその程度の耐久性の差でF+Proの値段を払うまでもないかな?と思います。
とまあ、欠点なども含めいろいろ書きましたが、このArmoredFシリーズ、かなりルアーフィッシングに適した特性を持つ新感覚ラインなのは確か。
もしまだ一度も試してないようでしたら、是非一度使ってみることをオススメします。
価格と性能、強度のバランスを考えたらやっぱりコレですかね。
コスパ重視という方にはコレ。ガンガン巻き換えられる値段です。
少しでも耐久性が良い方が良ければコレ。結構いい値段しますね。
なお、2022年以降の釣行記は別サイト「スモールフィッシング」に、タックルやルアーなどのインプレ・レビュー記事は「続・スモールフィッシング」にお引越ししています。
よろしければこれらのサイトもご覧になってみてください。
スモールフィッシングの最新記事はコチラ! 続・スモールフィッシングの最新記事はコチラ!なお、2023年5月に、Amazonのお買い得釣り具を検索するリンクページ「密林お買い得情報」を大幅リニューアルしました!最新モデル情報の反映や、AmazonとYahoo、楽天間での価格比較が容易にできるよう、より有益なページとなるようコンテンツを見直しましたので、こちらもよろしければ是非チェックしてみてください。思わぬ掘り出し物が見つかるかも!
ありがとうございます。DUELのしっかりコ-テイングされたラインが好きで ベイトリールで使用しています。文中のキンクは発生しにくいです。今回のインプレでF+Pro、F+、F、そしてSの性能の違いが分かりました。これからもこのラインを使う中で大変勉強になりました。感謝一杯。
返信削除コメントありがとうございます~!
削除アーマードシリーズ、ベイトリールお使いの方には特に隠れた人気ラインのようで、結構ワタクシの周りにも愛用されている方が多いみたいデス~!
ベイトだとヨレやキンクは全く発生しないのでなおさらこのラインの良さが活きマスね~!