購入の動機や経緯は過去記事「2019年の釣りに向けてどっちを買う?非常に悩ましい最新シーバスロッド選び!」に書いた通り、秋のハイシーズン対策に、そして釣れちゃうかも知れない大物対策としても、コレまで使って来たインフィニティS906ML/RFより、もう少しハリとパワーのあるロッドが欲しかったからです。
普段釣りする場所は阪神間、激戦区の湾奥シャロー、スレっからしのフッコ相手の釣りがメインのワタクシ、個人的にはMパワーは過剰かなと言う理由でコレまで避けてきたため、シーバス専用ロッドのMクラスを購入するのは実に十数年振り、エクスセンスシリーズが誕生してからは、初めての購入です。
今回は、このエクスセンスインフィニティS906M/RFについて、同S906ML/RFとの実釣比較も交えてインプレを書いてみようと思います。
第一印象は?
このインフィニティS906M/RF、どんなロッドかメーカー説明文を引用してみると、
ランカーシーバスを制するパワーと、70~80m先にあるルアーの振動を鮮やかに伝達するセンシティビティを兼ね備えたパワーアイテム。大型プラグやバイブレーション、ブレードベイトなど、重量があるルアーを得意とする。港湾、沖堤、サーフ、干潟とあらゆる場所で幅広く活躍する、高次元の汎用性を発揮する一本。(シマノHPより引用)
とのこと。
説明文だけ読んでると、なんとなく剛竿というイメージを持っちゃいますね。
しかしまず手にとってみて感じたのは、S906ML/RFと同様「軽い」ということ。
コチラS906M/RFはMLに比べて4g重量増の自重132gですが、その重量差は持ち比べて見てもほとんど違いが分かりません。
買った時のお約束、部屋で天井に当ててティップを曲げてみましたが、ありゃリャ、思ったよりティップ部分は良く曲がる。
もともとインフィニティは同パワークラスのジェノスに比べてもティップは細め。
先径はMLだと1.4mm、Mでも1.5mmという細さです。
それでもMパワーということで、もうちょい硬めを想像していましたが、コレが意外と柔らかく、MLと曲げ比べしてみても、正直どっちがどっちかよくわかりません。
ラインを通して曲げてみても、うーん、曲げ始めに関してはMLとのパワー差はさほど感じませんね〜。
部屋でブンブン振ってみた感じでは、Mの方が振れ幅が多少小さく、収束速度が速いかなという程度。
うう、思ったより2本の差は小さいぞ。
左がS906ML、右がS906M。太さもほぼ一緒でグリップ長なども変わらないため、手にとっただけでは区別つきませんなコリャ。 |
似たようなロッドを2本も買っちゃって、もしかしてこれは失敗したかなぁ・・・というのが、正直な第一印象でした。
キャストフィール
しかしこの第一印象は実釣で使ってみて一変。
キャストフィールは思った通りシャープで、重量が重めのルアーではMに分があるのはもちろんですが、意外と邪道のアーダ零イノベーターのような軽めのルアーでも非常によく飛ぶ。
適合ルアーウエイトがMLは5g〜32g、Mが6g〜38gということで、結構カブッているといえば被ってるんですが、表記の通りS906M/RFでも意外と軽量ルアーがノーストレスで投げられますね。
ロッド重量が軽く振り抜き時のヘッドスピードが上げられるのはS906ML/RFでも同様ですが、このS906M/RFではさらにビシッと反発力を活かした初速の速いキャストができ、ルアー次第ではかなり飛距離も向上してそうです。
キャスト後はブレも少なく、ティップの収束の早さも文句なし。
扱うルアーウエイト、タイプにもよるのでしょうが、キャスタビリティに関しては、トータルでみてS906M/RFの方が一枚上手な印象を受けました。
ただし、Mの方が硬い分、キャスト時にロッドを曲げるのにパワーを要するため、数時間使用した後の体の疲労感は断然Mの方が大きいですね。
ワタクシの普段の釣りスタイルのように、キャスト回数が多い長時間の「粘りの釣り」にはMLの方が向いているかと思います。
操作性と感度
またこのロッド、軽くてハリがあるため、ルアーの操作性も十分。
特にS906M/RFでいいなと思ったのはバイブレーション使用時の操作性。
インフィニティは9.6ftながら、以前使っていた9ftロッド並みにトゥイッチ、ジャークといったルアーの操作性は高く、S906ML/RFでもそれなりに高いレベルだと思っていましたが、このS906M/RFは、ハリと硬さがプラスされる分、さらにその操作性に磨きがかかった印象です。
ワタクシが普段釣りをするシャローの浜辺でよく使う、邪道の冷音14gやバスデイのレンジバイブ55TGクラスのウエイト、引き抵抗のルアーなら、S906M/RFのハリはベストマッチじゃないでしょうか。
シマノのサルベージとかでも、60ESならバランス的にMLの方がイイですが、70S以上ならリトリーブ抵抗を考えると間違いなくMの方が快適に操作できそうですね。
適度な硬さのティップは遠距離での着底やリトリーブ中のボトムコンタクトなどもしっかりビビッドに捉えられますし、バイブレーションアクションを殺さずちょうどいい塩梅で引き出していると思います。
これは流れの釣りにおけるミノーなどでの釣りでも然りで、やはり適度なハリと硬さゆえに非常に感度がよく、ミノーのアクションが手元に伝わりやすい。
特にロンジンのフランキーのような可変アクションのミノーを使っている時は、流れに差し掛かった際のルアーの挙動変化も明確に手元に伝えてくれ、極めて優れた感度だなと思います。
とまあ、感度がいいとかハリがあるとか褒めてマスが、このインフィニティの使用素材である東レのトレカT1100G、比較的新しい素材ながら実は33tカーボンで、世間的にはいわゆる「中弾性」カーボン。
S906ML/RFの恐ろしいまでの曲がり!(画像はシマノHPより借用。) |
おそらくこれはインフィニティのプロモーション画像(上の思いっきり曲げてるヤツね)にある通り、曲げ込んだ時の限界強度、粘り強さを兼ね備えるためのチョイスだと思いますが、この中弾性カーボンでこれだけのハリや感度を纏わせているのも実にお見事と言えますね。
魚とのファイト
幸いこのロッドを購入してすぐ、50cm台の魚1匹と70cm台の魚2匹を釣ることができ、そして地球×1、大型アカエイ×1(共に途中でバラし)を掛けることができたので、いい実釣テストができました。
このクラス以上の元気な魚のファイトが相手ならMクラスがちょうどいいですね〜。 |
まずはフッキングについてですが、ティップ部分は柔らかめながら、やはりベリーまで少し入りこむとかなりパワーがあるようで、力を込めてフッキングした瞬間、手元にもはっきりとその強い反力が感じられます。
フッキング時のパワーロスは当然MLより少なめで、#4のMHクラスのフックでも1発でバッチリフックアップが決まるイメージですね。
もちろんメインライン、リーダーの号数など全体のバランス次第の話ではありますが、
どちらかというと、S906MLは相対的にスイープなフッキングや食い込みの良さが必要なシーンに適していそうなのに対し、S906Mはシャープに積極的にフッキングするのに向いているような気がします。
バイブレーションで大型アカエイにフッキングしちゃった際も、魚と間違えて地球に合わせを入れちゃった際も、ロッドを曲げてテンションをかけてファイトしてたらST-46の#10フックがグニャリと曲がってルアー回収できたので、曲げ込んだ時のパワーはかなりありそう。
そして魚とのファイトですが、50cmクラスの魚ではやはりMは若干オーバーパワー気味かなという印象です。
フッキングした後、いとも簡単に取り込めちゃうので、正直さほど面白くありません。
このクラスの魚相手では、やはりMLの方がやりとりが楽しいですね。
ただ、流れに乗ったファイトをするリバーシーバス狙いや、ゴリ巻きファイトが必要な真夏シーズンの釣り(疲労後の酸欠による魚の死亡を防ぐため)には、このクラスの魚相手でもMでちょうどいいかも知れません。
一方で、70cmクラスの魚相手だと、パワー感はちょうどいい感じ。
今回はサヨリを食ってる体格のいいメス2匹がお相手でしたが、S906M/RFは終始よく曲がってテンションを維持してくれ、急なツッコミやエラ洗いに対してのベリーの追従性も素晴らしく、全くバレる気がしませんでした。(まあこれは、フッキングがしっかり決まった確信があったからでもあるのですが。)
個人的な好みで言うと、もう少し胴から入って曲がってくれるロッドの方が好みではありますが、インフィニティのRF(レギュラーファースト)のアクションは、魚との距離に関わらずファイト中のコントロール性は非常にいいですね。
それでいていざ高負荷になればしっかり曲がり込んでくれるタイプので、力勝負でも極端なファーストアクションのロッドに比べて、のされ気味になる心配もありません。
曲げ込んだ時の本気のリフティングパワーも試してみたかったのですが、残念なことにランカーシーバスはそうそう釣れませんので、また今度巨大ボラでも掛かったら試してみるかな(笑)。
エクスセンスインフィニティS906M/RF インプレまとめ
今回もまたとりとめもないインプレになってしまいましたが、結論からいうとこのインフィニティS906M/RF、買って大正解のロッドでした。
レギュラーファーストのクセのない調子に、比較的軽量級から重量級までストレスなくキャストできるキャスタビリティ、高い操作性、抜群の感度とフッキング性能、そしてファイト時の芯の強さを感じさせるゆとりあるパワー感と、必要な性能はいずれも非常にハイレベル。
今やシーバスロッドは釣具の中でも結構な稼ぎ頭なのか、ロッドはそれこそ山のようにあり、奇を衒ったキャッチコピー、売り文句が蔓延、雑誌のロッド紹介記事などではありとあらゆる不可思議なテクノロジー・ワードで埋め尽くされていますが、そんな中にあって突出した個性が感じられないシーバスロッドの王道を行くような味付けのこのインフィニティ、その潔いまでのど真ん中っぷりが、いまの時代ではかえって輝く個性と言えるかも知れません。
例えるならいい食材を存分に使って腕のいい料理人が作った食事のように、多くの言葉で形容しなくても食べれば一言「美味い」と思わず言ってしまう、そんなロッドなのです。
エクスセンスインフィニティS906M1/RF、シマノの本気が十分伝わってくるロッドで、「ハイエンドだからイイ」のではなく、「この性能ゆえにハイエンド」と言えるロッドでしょう。
コレは充分「買い」だと思いマス。
最後に、初めてインフィニティの購入をお考えの方に、MLとM、どっちを先に買えばいいかについて。
初めて手にしてちょっと振ってみた段階では、正直S906ML/RFとS906M/RFは棲み分けができていないような、同じようなロッドかなと思いましたが、実釣で使ってみるとそうではないと言うことがはっきりわかりました。
あくまで個人的な印象ですが、S906MLは、PEライン1号以下/リーダー20ポンド以下/フックサイズ#6以下で、S906MはPEライン1号以上/リーダー20ポンド以上/フックサイズ#6以上でそれぞれベストなセッティングになるように感じました。
対象魚のサイズや個人の釣りスタイルとかにもよりますが、上記どちらのタックルセッティングに軸足を置くかによって、MLとMを選べば良いと思います。
どちらを買っても、決して後悔することはないと思いますので。
個人的には、晩冬〜初夏はS906ML/RF、それ以外のシーズンはS906M/RFがメインのロッドになる感じで使い分けしていくと思いますが、どっちの方がよりインフィニティ色が濃厚かと問われたら・・・・あえて言うならやっぱりS906M/RFの方ですかね〜。
まあ、S906ML/RFとS906M/RFの2本があれば、阪神間の釣りはほぼほぼカバーできると思います。
さらにワガママ言ったらもう一本、バチ抜けとマイクロベイトシーズン用にエクスセンスジェノスのS92ML/F-3 テクニカルパスファインダーがあれば言うことなしのロッド布陣になるんですけどね。
ちなみにデザインが不評?なインフィニティのカーボンモノコックグリップですが、中空構造故にインフォメーション性は抜群に高いし、ファイトやリトリーブ中のフィット感も高く、慣れるとコレはコレで使い勝手は良いですよ〜。
今回ご紹介したロッドはMパワーのコレ。思ったよりマイルドさも兼ね備えていて、使えるルアーの幅は広い汎用性高い一本だと思います。
コレまで使っていたMLパワーのロッドがコレ。飛距離が必要なオープンエリアで繊細な釣りをするにはベストマッチでしょう。
MLパワーでさらに操作性高くフィネスなシーンにもマッチする9ftレングスがこちら。122gって驚異的な軽さの使用感は一体どんな感じでしょう?
●エクスセンスインフィニティ S906ML/RFの購入記はコチラ
●エクスセンスインフィニティ S906ML/RFの実釣インプレ記事はコチラ
なお、2022年以降の釣行記は別サイト「スモールフィッシング」に、タックルやルアーなどのインプレ・レビュー記事は「続・スモールフィッシング」にお引越ししています。
よろしければこれらのサイトもご覧になってみてください。
スモールフィッシングの最新記事はコチラ! 続・スモールフィッシングの最新記事はコチラ!なお、2023年5月に、Amazonのお買い得釣り具を検索するリンクページ「密林お買い得情報」を大幅リニューアルしました!最新モデル情報の反映や、AmazonとYahoo、楽天間での価格比較が容易にできるよう、より有益なページとなるようコンテンツを見直しましたので、こちらもよろしければ是非チェックしてみてください。思わぬ掘り出し物が見つかるかも!
0 件のコメント:
コメントを投稿