ワタクシのホームである大阪湾、西宮の湾奥ではエイが大発生。
ウェーディングを始めたのが7、8年前なので、単に知らなかっただけかもしれませんが、10年ほど前はほとんどその存在を聞くことはありませんでしたので、やはりここ数年で急激に増えたのではないかなと推測してます。
地球温暖化の影響かな?と思ったりもしますが、神戸空港の建設により大阪湾東側の海流の閉鎖性が高まり、それに伴う富栄養化によりイガイなどの貝類が増殖、それを狙って入ってきたエイ類が定着したという説もあります。
そんなエイですが、万が一ウェーディング中にこのエイの毒針に刺されたら一大事。
タンパク質性の毒は患部を壊死させるほどの強力なもので、病院などにも有効な血清などはありません。
刺された本人の肉体的、精神的なダメージのみならず、長期入院や加療にかかる経済的、社会的損失もばかになりませんね。
さらには騒ぎになったりすると、釣り場自体が規制されるなんて事態にも発展しかねない。
そんなコトにならないためにも、エイ対策はしっかりと行っておきたいもの。
以前もこんな記事を書いていましたが、その後あれこれエイ対策の新製品も出ているようですし、ワタクシ自身もいろいろな対策グッズを試してきたので、今回は2018年現在最新のオススメエイ対策グッズについて、タイプ別ごとにまとめてみようと思います。
1.外付けタイプのエイガード
普段使っているウェーダーの上から装着する、外付けタイプのエイガードです。
1万円以上の出費を余儀無くさせられますが、エイの棘に対する防御力とそれからくる絶対的な安心感の高さは数あるエイ対策グッズの中でも別格と言えます。
万が一を考えれば、コレは是非装着しておきたいですね〜。
このタイプのメリットは、インナータイプに比べて防御力、防御範囲が広いこと。また、普段使いのウェーダーの外側に装着するため、ウェーダーのサイズをアップさせる必要がないことです。
一方、デメリットといえば、外付けだけに多少の歩きにくさがあること(特にゴロタなど岩礁帯では歩きにくいし本体損傷の恐れもある)、そして流れが速いところでは水流抵抗がそれなりにあるということです。
それでは、具体的な製品を見てみましょう。
1−1.K&Kプロダクツ ステルスエイガード
外付けエイガードで一番メジャーなのがコレですかね。
お値段は一番高いですが、細部を見えればそれだけコストが掛かっていそうな作りです。
見た目はゴツくてガンダム風ですね〜(笑) |
外付けエイガードはどのタイプも、使用するに従って必ずストラップやゴムなどが傷んでしまい、交換が必要になってきます。
とくにこのステルスエイガードと、後で紹介するレイシールドType-Rは、ゴムやストラップの固定に樹脂リベットを使っているのですが、岩などにあたったりして結構な頻度でリベットを破損させてしまうことが多いです。
しかし、このようなリベットも含めて、消耗部品をアフターパーツとして販売しているので、安心して長年使えるオススメな製品と言えるでしょう。
このエイガードを使うメリットは、ほぼ完璧に近い防御力。デメリットは、歩きにくさ、特にしゃがむのはかなり困難なことと、部品消耗がそれなりに多いことですかね。
1−2.DAX アドバンスドタックルス レイシールドType-R
ワタクシが使ってるのがコレです。(実は頂きモノ)
コンセプトや作りはステルスエイガードとクリソツですが、見た目や細部の作りはコチラの方がお値段お安い分?あっさりしていますね。
ステルスに比べるとのっぺりしていて、こちらの方が長靴風ですね〜。 |
しかし、防御性能は変わらないと思いますので、少しでもお安く安心を買いたい人にはコレもオススメです。
メリット、デメリットは、ステルスエイガードとほぼ同じですね。
以前部品を一つ紛失したのでメーカーに問い合わせましたが、すぐに届けてくださいました。一時期に比べて流通網は減ったようですが、今でもアフターサービスやパーツ販売もしっかりしているようです。
ちなみに、メーカーの適合表に記載がなく、キックがついていないウェーダーは取り付けできないと説明書に書かれていますが、ワタクシはその両方ともないウェーダー2種類でなんら問題なく装着、歩行できていますので、以外と幅広いウェーダーに適合するのでは?と思っています。
1−3.リトルプレゼンツ EIガードⅢ
手軽に取り付けられ軽量、歩きにくさなどはないメリットがある反面、足の甲先端やサイド部分の防御が無いことと、水を吸うと少し重たくなることがデメリットです。
上記2種のタイプが取り付けできないようなウェーダーでも、種類やサイズを問わずに装着できるところがいいですね。
特にソックスウェーダー+ウェーディングシューズを使っている方でも使える外付けエイガードは、実質的にコレ一択と言えるのではないでしょうか。
写真の通り、防御に多少スキがある・・・ |
2.インナータイプのエイガード
ウェーダーの中に穿いて、万が一エイに刺された時にエイの毒針をストップする役割を果たす靴下です。
そのため、アラミド繊維やスペクトラ繊維など、防弾チョッキなどにも使用される強度の高い繊維素材が使用されており、その素材の調達上の問題から、非常に高額、かつ流通量が安定しないのが特徴です。
インナータイプはあくまで刺された場合のダメージを軽減する目的のもので、盾のようにエイの毒針をかわす外付けタイプに比べて、どうしても防御力が弱くなりますし、実際に針が貫通してしまったという事例もたまに耳にすることがあります。
そもそも刺された場合には確実にウェーダーに穴は開いてしまう為、高額な出費を余儀なくされるにもかかわらず、防御力はイマイチと言わざるを得ません。
よって、本格的な防御を考えるなら積極的にこのタイプを選ぶ理由は無いのではないかなと思います。
厚みを考慮してウェーダーをサイズアップしなければならないのも、イマイチですね。
どうしてもこのタイプを選ぶなら、スペクトラ素材のタイプが絶対にオススメです。
アラミド素材のタイプの方が一般的に1〜2万円ほど格安なのですが、この素材は加水分解により経年劣化する(その為、数年で素材としての防御力が落ちてしまう)為、多少高価であっても、長年買い換えることなく使用できるスペクトラの方が安心と言えそうです。
それではどんな製品があるか見てみましょう。
2−1.パズデザイン レイガードⅡ
値段は最高額ですが、今回ご紹介するインナータイプの中で唯一スペクトラ繊維を使用した製品なので、このタイプを買うならこの製品が絶対にオススメです。
つま先からかかとにかけて本体生地を二重に補強することでエイのトゲを貫通しにくくしているとともに、アキレス腱部に脱着可能なスペクトラ樹脂板を追加し更なる安全性を追求することが可能です。
2−2.アングラーズデザイン レイバリアⅡ
このタイプの中で最も安価なのがこの製品。安価とはいえ、足首から下はノーメックス2重構造で、更に一番被害が多い足首から上は2重構造プラス耐切創樹脂板を内蔵したトリプルバリアシステムでよりエイの棘からのダメージを軽減してくれます。
2−3.アムズデザイン imaエイガード
ふくらはぎ部分には対突き刺し布で補強を施しています。2−4.エクリプス サバイバルフィート
フロントバックル部に採用した伸縮性に富むネオプレーン素材が、複雑に動くふくらはぎの筋肉にも追従してズレを防ぎ、適度に筋肉を締めあげることで、足のむくみや疲れを軽減してくれます。乾燥や保管に便利なスリング付きです。3.電気式エイガード(紹介記事はコチラ)
海中に微量の電流を流すことで、エイやサメが持つ電気感覚受容器官である「ロレンツィーニ器官」を刺激し、エイやサメを遠ざけるというコンセプトのアイテムです。
前述2種類のエイガードが、万が一エイの針に刺された場合に備えた「防御型」のエイガードだとすると、この電気式エイガードはエイを遠ざけることで刺されないようにする「予防型」エイガードだと言えるでしょう。
製品としては「アクティブエイガード」シリーズ一択になってしまいますが、値段が4800円〜9800円と比較的安く、装着の手間もほとんどかからない為、とても手軽に使えるところが大きなメリットと言えそうです。
ワタクシ自身も一年間ほど使ってみて、実際に何度か、目前のエイが逃げていくシーンを目撃したので、やはりそれなりに効果はあるとおもっています。
コレがアクティブエイガードです。 |
それでは、どんな製品があるか見てみましょう。
(※2020年5月追記:現在はすでにECサイトでの販売は終了しています。)
3−1.アクティブエイガードLite
一番ノーマルでお安いのがコレ。通常使用(海中での通電)により端子部分が電気分解されてどんどん溶出してしまいます。あと、コード長が99cmと以外と短いです。できればこれら欠点?の対策品であるList1.5STを買った方がイイと思います。
3−2.アクティブエイガードLite1.5ST
ノーマルのアクティブ エイガードLiteからの変更点は、コード長が99cmから150cmに長くなったこと(水没事故防止)、また、ステンレス端子採用でコード先を腐食から守ること(強力な出力でコード先が溶けないように)だそうです。コード長が長くなったのは大歓迎ですが、端子部分の溶出は完全に防げるものではありませんのでご注意ください。
3−3.アクティブエイガードMAX1.5ST
強力な充電式リチウムイオン電池採用で、従来型のアクティブエイガードに比べて約2倍の出力があるとされています。個人的には気軽に現場で電池交換できる1.5STの方が好みですが、2倍の出力ってのは魅力的ですね〜。
4.ウェーディングスタッフ (紹介記事はコチラ)
本来はウェーディング中に底質を確認したりゴロタ岩や穴ぼこなど地形変化の有無を確認することで、不慮の転倒事故などを防ぐ目的のステッキで、おそらくはフライフィッシングなどが発祥だと思いますが、海で使うならコレがエイ対策としても有効です。
自分が移動する進路前方を、ウェーディングスタッフでザクザク刺しながら歩行することで、エイとの遭遇で一番多いとされる「踏んづけてしまう」事態を回避できます。
特に太平洋側の湾奥の釣り場などでは、南からの季節風により晩春から夏場にかけて水底が見えないくらいに水が濁りますので、そういう状況下ではコレがあるとエイ対策も含めて安心してウェーディングできますね。
もちろん河川など地形変化が多い場所でのウェーディングでも役立ってくれると思います。
登山用のトレッキングポールなどでも代替できますが、長時間海水中に浸けての使い方は想定されてい製品がほとんどだと思いますので、できれば専用品を買った方がいいでしょう。
それではどんな製品があるか見てみましょう。
4−1.パズデザイン ウェーディングスタッフ PAC-204
4.で紹介する中で一番お高い商品です。しかし、お高いだけあって完成度は高い。
折りたたみも容易で、軽量ゆえに落水時にもグリップ部分が浮いてくれ、紛失リスクも低いです。
こんな感じでグリップ部分が浮いてくれます。ウェーディングスタッフを倒しちゃうとかは良くあることなので、コレは本当に助かります。先日もナイトゲームで魚の取り込み中に落っことしてしまいましたが、すぐに見つけることができました。 |
硬質の先端チップと伝達力に優れたカーボンブランクス故に底質がビビッドにわかる感知能力も高く、全長最大145cmになるため広範囲を探ることができ、文句なしに最高の使い勝手のウェーディングスタッフだと思います。
インプレ記事「買ってよかった!パズデザイン ウェーディングスタッフ PAC-204 のインプレ」もあわせてご参照ください。
4−2.リバレイ RBB セーフティストックII
4本継で仕舞い寸法35cmと非常にコンパクトに収納できるのがコレ。
ブランクスはアルミニウム製で軽量、100cmまでの簡易メジャー機能もついていますね。
お値段もお手頃で良い製品だと思いますが、全長125cmというのはウェーディングスタッフとしては若干短めで、真下に突くならなんら問題ありませんが、水中を歩きながらエイを避けるために自分の進行方向を斜めに突いて進むようなシーンでは、物足りなく感じる長さでしょう。
4−3.ゴールデンミーン GMスティック
コレは最も最近リリースされた製品ですね。ブランクスは強化アルミ素材です。
なんと言っても他製品に比べ圧倒的に買いやすい低価格が魅力ですね。
廉価であるにも関わらず、基本性能はしっかりしているようで、実際触らせてもらいましたが意外と軽量で良さげでした。紛失防止のリーシュコードが付属しているのもイイと思います。
ただ、最大全長1350mmは長身の方にはちょっと物足りなく思うかも。
また、やはり安いだけあって、コストダウンの影響でしょうか?内部コードが破損して使えなくなったという事例が周囲で2件ありました。
と、各社からリリースされているエイ対策グッズを見てきましたが、いかがだったでしょうか。
近年エイの危険性について認知度が高まってきたのか、製品ラインナップが増えてきたのは嬉しい次第ですね。
色々あるので結局どれを買うのがイイか、悩まれるかもしれませんが、エイに刺された際の被害の大きさを考えると、いずれも持っていて損はないと思います。
安全をお金で買うと思えば、個人的にオススメの装備は1−1、3−3、4−1の組み合わせですね。(ちなみにワタクシは1−2、3−2、4−1の組み合わせを使っています。)
コレだけあればエイだらけの海でも比較的安心してウェーディングできると思います。
もしウェーディング好きでエイ対策をしておられない方がいらしたら、ぜひこの機会にご検討いただければと思います。
【その他エイガード関連記事はこちらもご覧ください】
なお、2022年以降の釣行記は別サイト「スモールフィッシング」に、タックルやルアーなどのインプレ・レビュー記事は「続・スモールフィッシング」にお引越ししています。
よろしければこれらのサイトもご覧になってみてください。
スモールフィッシングの最新記事はコチラ! 続・スモールフィッシングの最新記事はコチラ!なお、2023年5月に、Amazonのお買い得釣り具を検索するリンクページ「密林お買い得情報」を大幅リニューアルしました!最新モデル情報の反映や、AmazonとYahoo、楽天間での価格比較が容易にできるよう、より有益なページとなるようコンテンツを見直しましたので、こちらもよろしければ是非チェックしてみてください。思わぬ掘り出し物が見つかるかも!
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