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タックルについて コレはイイ!シマノ ’16エクスセンス LB C3000MPG のインプレ

2019年10月9日水曜日

インプレ エクスセンス LB シマノ タックル リール レビュー 使い方 評価 評判

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まだまだ暑い日もありますが、長かった夏が終わりようやく夕暮れ時以降は秋の気配が感じられるようになってきました。


海の方は、春夏シーズンは昼間の方が潮位変動が大きい昼潮の季節ですが、そろそろ夜間に大きく潮が動く夜潮に移行して、ナイトゲームでよく釣れる時期になってきます。


秋シーズンのナイトゲームといえば、ワタクシの通う湾奥干潟ではイナっ子とサヨリがメインベイト。


そしてコレらのベイトパターンで夜間、非常に有効なのがスローリトリーブの釣り。


今回は、そんなナイトシーンでのスローリトリーブに大活躍してくれるリール、シマノの’16エクスセンス LB C3000MPGについてのインプレです。


今回ご紹介するのは’16ExsenceLB C3000MPG。





どんなリール?



’16エクスセンス LBがどんなリールであるかは、別記事「タックルについて シマノ '16 エクスセンス LB C3000MXG のインプレ」に詳しく記載しているので、そちらも合わせてご覧ください。


このC3000MPGというリールは、エクスセンスLBのパワーギア仕様版ですが、エクストラハイギア仕様のC3000MXGとはパーツの大部分を共用しているため、外観上はパッと両者を見分けることは困難です。

MXG同様シックなマットブラックの外観に余計な装飾のないシンプルなフォルム。自重も軽いし手にした時のバランスも良く、その巻き心地も含めた使用感は抜群に良いリールです。


PGの見分け方としては、リールフットにあるラベル記載の型番「ExcenceLB C3000MPG」となっていること、ハンドル側面にある印字が「PG」となっていること、ハンドル長がMXGより5mm短いことの3点でしょうか。



しかし、両者を手にとって巻き比べてみると、XGに比べてPGの回転フィールは驚くほど軽く、ちょっとハンドルを回してみたら簡単に見分けることができますね。



スペックとしては、自重225g、スプール径47.5mm、ギア比4.6、最大巻き上げ長69cm/回転、糸巻き量はPE1.0号で180m、最大ドラグ力10kg、最大ブレーキ力3kg、ベアリング数は13個となっています。


今となってはノンレバータイプのリールの多くがシマノ独自の防水機構であるXプロテクトを搭載しているのに対して、このエクスセンス LBは残念ながら登場年次が2015年のBB-X テクニウム(非SUTタイプ)がベースモデルであるため、Xプロテクトは搭載されていません。
(その後2017年に登場した下位機種ハイパーフォースでは、ラインローラーおよびボディにXプロテクトが搭載されています。)


しかし、ラインローラー部はコアプロテクトを搭載しているため従来型に比べて3倍の耐久性があるとされています(実際に大変長持ちしました)し、メインシャフト部分には’09テクニウム時代から採用されている防水機構が施されているため、Xプロテクト搭載機種には敵わないものの、本体の防水性も高い実戦向けな機種だと思います。



実釣インプレ



実はワタクシの持っているC3000MPGは、C3000MXGにPG用の低速ギアとショートハンドルを移植した「なんちゃってMPG」ですが、秋冬からバチシーズンに掛けてのナイトゲーム用に準備したもので、夜に潮がよく動くここ最近になってようやく本格的に使い始めたものです。


実際に使ってみると、巻きはXGから持ち替えるとまさに「段違い」と言えるほど軽くスムースで、ハンドルが短めのため手首の返しだけでスルスルとリトリーブすることができます。


上段PG、下段はXG。ぱっと見で両者を見分けるのは困難ですが、巻き比べると一目瞭然。XGも悪くはないのですが、PGの巻き心地の軽さ、滑らかさはまさに圧巻です。


最大巻き上げ長がXGのおよそ2/3程度なので、XGのリールでハンドル2回転分の距離をリトリーブしようと思ったら、このPGでは3回転させる必要がありますね。


以前、「やはりガマンできない連休最終日、執念のデイゲームをローギアリールでやってミマシタ!」という記事で少しインプレを書いた通り、バイブレーションなどのルアーを速巻きしようとおもったら、ハンドルをかなりせかせか回転させる必要があり、使用感は微妙なのですが、一方で、巻きが非常に軽くスムースであるため、抵抗の大きなルアーを連投し、長時間リトリーブしつづけてもまったく疲れないというメリットはあります。


また、そのギアのパワフルさ故に、リトリーブ中の流れの抵抗を巻き抵抗として感じ取る能力はXGに比べて劣ってしまいますが、ギア比が低くパワフルな巻き取りが可能であるため、大物とのやりとりやエイ・ボラのスレがかり相手でも全く余裕の巻き上げ力を見せてくれます。


つまり、XGリールのメリットはそのままPGリールのデメリットになり、逆にXGリールのデメリットがそのままPGリールのメリットになるという図式です。


こういうわけで、速いリトリーブを必要とする鉄板やABSバイブレーションを使ったリアクションの釣りメインの、春から夏にかけてのデイゲームにおいては圧倒的にXGの方が有利なのですが、逆にこれからの季節、スローに見せるスティディなリトリーブを多用する食わせの釣りの秋から春先のナイトゲーム中心の時期には、このPGタイプの方が断然マッチするといえるでしょう。


特に、サヨリパターンやバチパターン、厳寒期の釣りでは、XGのギア比で1回転4秒、ルアー秒速にして25cm/秒程度のデッドスローリトリーブを多用しますが、これをPGのリールを使って行うと、実にやりやすい。


先日も小場所攻略にPGタイプのエクスセンスLBを投入して、見事魚をキャッチすることができました。

スレた小場所のような集中力を要するナイトゲームにはこのリールがピカイチ!


手返しよりも、一投一投のリトリーブを集中力を持って行う必要があるシーンでは、やはりPGの低いギア比の方が断然有利と言えそうですね。


しばらくエクスセンス LB C3000MPGを使用してみて、アジング、メバリングで今でもPGが多用される理由がなんとなくわかったような気がします。



できればXG、PG両方揃えたい



昨今はXGやHGなど、ハイギア全盛の時代で、実際に同じ機種でも売り上げの大部分はこれらハイギアタイプが占めているそうです。


かくいうワタクシ自身も、以前、「ハイギア、ノーマルギアどちらを選ぶか?」で書いた通り、ハイギアのメリット信奉者なのですが、ここしばらくPGを使用してみて、あらためてその良さを思い知らされました。


前述のインプレの通り、エクスセンスLB C3000MXGとMPGでは、それぞれ得意とするシーンが異なりますが、それらはお互いの足りない部分を補完し合う関係。


デイゲームを多用するシーズン用にXGが向いているのは間違いありませんが、一方でナイトゲームを多用するシーズンでは、PGがもたらす安定したスローリトリーブ性能は大きなメリットがあり、また使用感としても捨てがたい魅力があります。


あまり話題に上がりませんが、低いギア比ゆえに可能となるショートハンドルも、コンパクトな回転半径で巻き取り動作を行えるため非常に使用感がイイです。低いギア比ゆえにどうしても流れに対する感度若干XGに比べて劣りますが、その分このショートハンドルが感度向上を補っているとも言えます。



特にナイトゲームで魚がなかなか釣れないという人は、往々にして巻きが速すぎることがあるもの。


ナイトで多用するミノーやシンペンは、むしろスローすぎると思えるくらいの巻きが、ルアー本来のアクションを活かす意味でも、魚に対するアプローチという意味でも適している場合が多いです。


そういう適切なリトリーブスピードを、アングラーにとってナチュラルなテンポの巻きで引き出してくれるのがこのPGの最大の強み。


ナイトゲームに限らず、デイゲームにおいても、ミノーやシンペンに限らず、トップウォータールアーやソフトベイト(ワーム類)、ブレードベイトなんかでは、同じくPGリールの巻きの方が適していると言えますね。


というわけで、今回の結論。エクスセンス LBは、シーズンやシーンにあわせて、MXGとMPG、2台とも持っておくのが良いと思います。


5月から10月までの昼潮、デイゲーム中心の季節はXGを使い、11月から4月の夜潮、ナイトゲーム中心の季節はPGを使うという風に、両者を使い分けるようにすれば、例えばXGをメインで使用している季節に、あまり使わないPGをオーバーホールに出すといった風に、リールのメンテナンスサイクルのマネジメントも容易になるのではないでしょうか。


ワタクシのような週1〜2ペースで釣りに行く人間なら、このようなサイクルで2台のリールを使い分ければ、エクスセンス LBの耐久性なら2シーズン(2年間)に一回程度のオーバーホール頻度でも十分快適に使い続けられると思います。


XGとPGの2台持ちしてうまくシーズン別に使い分ければ、季節ごとのシーンに適したリールをイイ状態で使えるメリットに加えて、メンテナンスサイクルやコストの最適化も可能なので、同じギアタイプのリールを複数台持つよりも何かとメリットは大きいと思います。


エクスセンス LB C3000MPGのインプレまとめ



エクスセンス LBのインプレといいつつ、ついついハイギアvsローギア 論みたいになってしまいましたが、’16エクスセンス LB C3000MPGは、同MXG同様、非常に完成度が高く総合力の高い優れたリールだと思います。


今回の記事はついついギア比にばかり着目して書いてしまいましたが、そもそものLBリールの大きなメリットとして、ワンタッチでスプール交換できることが挙げられます。異機種とのスプール互換性も高く、同サイズであれば現行モデル全てのLBリールのスプールと交換可能。予めノットを組んだ予備スプールを用意しておけば、状況に合わせたライン(太さ)の交換も容易にできますし、不意のトラブル時の対応もスムースに行えます。


今回の’16モデルはベースモデルがBB-Xテクニウムということもあって、そこらへんのリールに比べると、ドイツ車並みにモデルライフサイクルが長い(要は、なかなかモデルチェンジされないってことですが・・・)ので、すぐに旧モデルになってしまう心配が少ない、いわば安心して長く付き合えるところもイイと思います。


今回ご紹介したPGモデルは、ハイギア全盛の昨今にあってはなかなか一般受けしづらいところもありそうで、セールス的にはイマイチなんじゃないかと個人的に心配になってしまいますが、このモデルの特徴が活きるシーンで使ってもらえれば、確実にその良さが理解できるリールであることは間違いありません。


「いまどきPGなんて・・・」と食わず嫌いの方にこそ、ぜひ使っていただきたいリールです。


一度使い込んでみると、きっと手放せない長年の良き相棒になってくれることでしょう。


イイ値段しますが、絶対モトは取れること間違いナシです。




なお、2022年以降の釣行記は別サイト「スモールフィッシング」に、タックルやルアーなどのインプレ・レビュー記事は「続・スモールフィッシング」にお引越ししています。

よろしければこれらのサイトもご覧になってみてください。

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